クリムトの画集を手に入れたの。
美しいものはすき。
でも、ただ美しいだけじゃ物足りない。退廃的だったりとか、妖艶さが加わる――
一般の線引きからはずれようとも、人々が求めずにいられない類の、危うい美しさ。
ただ美しいだけじゃ、つまらないでしょ?
ルノワールの描く女性は美しいと思う。
でも、私にとっては唯の理想像にしか映らない。
「ふーん、キレイだね」と言って、私は絵の前を通り過ぎてしまうと思う。
きっと、クリムトの描く女性を見たとき、私は立ち止まる。
はっと息を呑む。
彼の絵は、どこか狂気的なんだもの。
芸術って狂気的な感情の高まりから生まれ出でるものでしょう。
「狂ってる」から、いい本だって書けると思う。
芸術家は、早死にする。色々なこと考えすぎるんだから、当然なのかも知れない。
人と同じ目線で、同じことを考えている限りはいい作品を生み出せない。
人と違うことを考えているということは、狂気ととられて当然。
どんな複雑な社会生活だって、記号の集まりにしか過ぎない。
「男」であったり「女」であったり、何らかのアイコンを背負って私たちは生きる。
或いは、支配する。従属する。
どんな役割を背負って生きていけばいいのか?迷うから人間は悩む。
世の中って、狂気だらけじゃないのか。狂気も正気も、違いはさして無い。
なんだか退廃的。
必死に繕えば繕うほど、その反動が出てくる訳で、つまんないお芝居ばかりね。
真実は小説より奇なりってよく言ったもの。
一番奇なのは、「奇な小説を紡ぎ出す」人間自身に決まってる。
記号なんだ。全て。
記号に縛られた社会生活。「そこから解放しよう」と、神の声が聞こえてきたとして。
そのとき、モラルは一体何処へ?
縛られているから、なんとかモラルを抱えて生きてるのか。
クリムトの絵には、記号が沢山登場する。
まる。しかく。
女性や男性。シンプルな題材は、簡素な記号で表せば良いのだと。
それこそが、本質なんじゃないかな。複雑な世の中の、動物としての、人間の在り方。
とても、粋だと思うね。
ほんとうは、もっとシンプルに出来ているはずだもの。
さぁて、次はミュシャの画集かな!
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