甘い人生
2008 / 02 / 03 ( Sun )

最近、ずーっと土日は出掛けていたもので、家でゆっくりする暇がなかった(・д・*)

もちろんいいことなのですが、積んである本も読まなアカンなぁと思っていたところ。


外にいるばっかりじゃなくて、ふと立ち止まって充電することも必要みたい。
でないと、琴線がピンピン張りっぱなしで

ダメ(´・ω∩`) なのかも。 


夜通しバカみたぃな話をしてぐーたらしてたい夜もあれば、
ひとりきりでインセンスをくゆらせて、ぼーっとしてたい夜もある。

やっと、そんな時間がとれそうです。


ゆーっくりと立ち上る煙を見ながら、
香りが如何に記憶を束縛するか

そんなことを考えてみた。



夜の海辺で、ボートにもたれ掛かりながら語り明かした夜。
海の香り。


ああ、時計なんていらないなぁ と思う。

波の音しか聞こえないことが、どれだけ贅沢なんだろう、と。

都会で生まれ育った自分には感じられた訳だけれども

「ないもの」だから贅沢なのであって、
海辺で生活している人にとっては海の香りも、波の音に耳を傾けることも
ただの日常にしか過ぎないのでしょう。



「ないもの」をひとつずつ手に入れていくって、つまらないことなのかも知れない。

例えば、「ないもの」だらけだった子供のときの方が、
色々なことがキラキラしていたような気がする。


「ないもの」が日常になってしまったら、もうそれは色褪せてしまうのかな?


だったら、いっそ、手に入れないことが一番の贅沢なんじゃない?

欲しいと憧れながら、手が届かない焦燥感こそが最も幸福なときなんじゃない?





思い起こすのは、いとこのお姉ちゃんがつけていたシャネルのNo.5。

お姉ちゃんはとても綺麗で、私の憧れだった。


15歳くらいのときだったんだけど、ある日、そのお姉ちゃんのNo.5を拝借して
ひとふき振りかけてベッドに入ったことがある。(許してね)


むせかえるほどの甘さ。
セーラー服を着ている時分の子供には、余りに似つかわしくない香り。
まるで、自分が自分じゃなくなったみたいにふわふわして、鼓動が高鳴って…


大人になったら、あんな甘い香りつけて街に出られるんだから。
なんて素敵なの。


凄く幸せな気分で眠っていたんだと思う。
私もあんなお姉さんになりたいって思いながら。




でも、私のお姉さんは、いつの間にかお嫁さんになってしまって、
知らない男の人のものになっていた。

そうか、甘やかな香りを漂わせた綺麗なお姉さんはどこかへ行ってしまうんだ、って…


少しばかりの寂しさ。そして、焦燥感。
なんで、あんなに?

受験勉強で開いた本の中身なんて頭には入らなかった。
あれ、今考えると、思春期ってやつみたいだ。 ┐(´・c_・` )┌


少しだけ大人になったけど、やっぱりまだ自分にはNo.5は似つかわしくない。


お金を握り締めてNo.5を買うことならいくらでもできるんだけど、
もし手に入れてしまったら。
幸せに包まれながら眠った頃の高鳴りが、一瞬で色褪せてしまうんじゃないか。

それは、すごく、勿体無い。



手に入らない。もしくは、敢えて手に入れない。

それを自らチョイスすることも、楽しいことだと思う。
全部手に入ったらつまらない。


もしも手に入れてしまったという人がいるならば聞きたい。


本当に、相応ですか?



相応になるための努力が人生の楽しいところで、
その もの 自体にはそんなに価値はないのかも知れない。


それがね、安いか、高いかなんて関係なくて。
「ないもの」に付随する、エピソードたちこそが一番美味しい果実じゃないか。
エピソードがなければ、どんなものだって輝かない。


物質を手に入れること自体に価値を見出して、躍起になるのならば、
それは人間が勝手に作り出した誇大な期待にしか過ぎないんじゃないか。



そうだ。

La dolce vita (ラ・ドルチェ・ヴィータ)

-甘い人生という意。結構、聞いたことあるんじゃない?
そういう、ゆるーい感じ、好き。適当に自由で。


これ、同じ意味でも the sweet life って言うとロマンスな要素が無くなるな。
(響きって重要なのか)



まぁ、きっと、No.5が違和感無くなった頃には、それを手に入れて(欲しいものは欲しい)
また新たな「ないもの」をねだり始める。
求めているときが一番楽しいに違いない。


…と、ちょっとした小道具から記憶を引き出して来ることもできます。


やはり、香りは記憶を呪縛するようだ。
沢山、そういうものを抱えていくってことは、複雑だけど密かに楽しい。
残念ながら(幸いにも)、あまのじゃくなんだろう。

So what?








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